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匿名希望
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20/06/13 (Sat)
ユリコへ
ctime: 20/06/13 (Sat) 19:18
なあ、ユリコ。卑怯な事繰り返して生きてきた末には他人をヘンに邪推する癖がついちまって当然の報いのようにこんな時、こんな日に、久しぶり、どうしてる?と声かける友達も見つからない。街を歩けば、またチラホラ点きはじめた窓の灯りの内側で、盃を酌み交わし、合えない日々に積もらせた胸の底をぶちまけあってる人々をうらやむんだ。彼らに比して不幸で哀れな自分をほの甘く抱きながら……。なあ、ユリコ。オレ、社会的距離なんてもんがユリコに指図される以前から何故か半径周囲2メートル(バナナの葉っぱ1枚分)にそれが存在していたようなんだ。このまま、人との接触をさけて下さいって言われちゃう世の中の風を真にうけながら知らず知らずのうちに30才になって、魔法が使えるようになってるのかなあ。なあ、ユリコ。俺と言う存在が誰かと分かち合えたような想い出があるとすれば、こんな街の中にはないらしいんだよ。それはどこだろうって?  “そこ”は、前々から、もう看板も剥げて営業しているのかどうか不明な謎の店みたいで、噂では、もうじき本当に潰れるらしい。俺もいつかヤケになってそこの存在証明書を捨てていて、今やつながりなんてあったのかと疑える初対面のような遠い距離感から、またスタートしなくちゃならない。でも俺、今俊足を履いてるから大丈夫かな。コーナーで差をつける。でも、ユリコ。今の俺は、誰かに比べて追いつこうとか世の中の流行に合わせることにも疲れてきたんだよ。その場を共有していない他人の局所的な苛立ちや憤懣が切れ目なく目に入って来て、どこに行ってもどこかで聞いたような音楽が耳に入って来てさ。なあ、ユリコ。ユリコもその緑の洋服に合わせて、D&Gの香水を使っていたりするのかな。なあ、ユリコ。ユリコ。人が「ツイッターやインスタ“などの”SNS」っていったとき、“などの”の中をどれくらい想像してるんだろう。ただのレトロな写真撮れるアプリでしかなかったインスタの、もっと以前のネットに何があったのかなんてわからないし、しろうともしないんだろうね。でも、ユリコ。そんな偉そうなことは俺にも言えないんだよ。せいぜい電車男が流行したころくらいからやっているだけだし、ほかに6や7つくらいしか想像できないんだ。やっていたりしっていたって次々なくなっていって、ただの文字のやりとりだけではリアルの記憶と違って実感や感触として記憶に残らないからやっぱり忘れやすい。そんな“かつてあったもの”のなかに、これから入ってしまうような“そこ”を、やっていてよかったことって何だろうね。“そこ”でのやり取りの中で、知らない誰かのただの文字に対して心暖かくなったことも、確かにあったとは思うんだよ。なあ、ユリコ。SNSは似た価値観の人とだけどんどん付き合うようになるもんだけど、深入りしない関係性でいられ、弱い紐帯のように細くしかし確かにつながっていたようなそこが好きだったんだよ。今じゃ笑ってしまうけれどライオンの鬣みたいな髪型の男に影響されて、同じヘアワックスも買ったこともあった。音楽も教えてもらったな。マイブラのラブレスやセバドーのベイクセール、ダイナソーjrの2ndやガールズのALBUM、Kocorono。なあ、それらは最高のアルバムだったよ。でも、ユリコ。ユリコ。ユリコ。ユリコ。ユリコ。ユリコ。今やそれらのCDもすべて売ってしまったし、一人でそれを聞いて楽しむ代わりにリアルのほうで充実していれば、未だに童貞なんてこともなかったのかなと思うこともあるんだ。だから、いい機会だろ。この、円の人も潰れちまえ。遅かれ早かれ、なんかのきっかけで、みんなネットを離れリアルに居場所を見つける。それでいいんだ。リアルの方が大事で良いんだよ。リアルにはあんなに豊穣で切実でかけがえのないものが溢れてるのに、それを知らないまま定位置に座りカチカチカタカタ時間を擦り減らすのだけは終わってる。だから潰れるにまかせちまえ。ごめん、ユリコ。ちょっと乱暴な気持ちに任せてしまったね。落ち着いたらまた話すことにするよ。
コメント
wai 20/06/14 () 1:36
実際先とかあるようでないもんな。
匿名希望 20/06/22 (月) 21:24
先は輝かしくはないんだろうという先が見えてる退屈がある
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随筆・円の人登録ありがとうございます<<
20/04/24 (金) 19:48
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